この夏、北京に2万店舗目をオープン。
コーヒーチェーン最大手のluckin coffee(ラッキン/瑞幸咖啡)の郭謹一CEOは、「2024餐饮产业大会」という中国の大手飲食業界企業が集まるイベントにて、7月に北京で「第2万店舗目」となる新店舗をオープンしたことを始め、発展状況を説明しました。
主な説明内容は以下の通りです。
美団(大会主催企業)との継続的な協業により、大いなるサポートを得ることができた。そして、それは我々の回復と成長に大きく寄与した。
株式構成の見直し、そして大鉦資本(Centrium Capital-中国の投資ファンド)からの、財務危機以降の瑞幸に対する50億元もの投資により、価値観、文化、戦略等の立て直しが可能となった。
瑞幸珈琲の使命は、《幸運な時間の創造、素晴らしい生活への情熱を奮い立たせる(创造幸运时刻,激发美好生活的热望)》である。
現在、会社のカバナンスを改めて整理しており、あらゆる取引のデータを連携させ、透明度とトレーサビリティを確保している。同時に、我々の仕事の重点は全てコーヒーにフォーカスしている。
コアバリューは、《真理の追求と実情の重視(求真务实)》であり、事実に基づいて問題を正く処理すること、高品質を求めることが重要である事を改めて肝に銘じよう。
パートナーであるフランチャイズ店への支払いタームを見直す。これまでの45日から30日へ短縮することで、彼らの生活水準の改善に寄与する。
最新のコラボは、人気ゲーム「黒神話 悟空」コーヒー。
郭CEOは、プレゼンテーションの中で、若い消費者のニーズに対する洞察、イノベーションの重要性に触れ、8月に発売され人気が爆発中のゲーム「黒神話 悟空」とのコラボ商品「黒神話騰雲・美式(アメリカーノ)」の紹介も行いました。
luckin coffeeといえば、ちょうど昨年の今頃、貴州茅台社とのコラボによる「酱香拿铁」(白酒入りラテ)で話題をさらいました。(関連記事はこちら「白酒入りラテ、売り切れ中」 2023年9月15日UP)
「黒神話 悟空」は空前の大ヒットゲームとなっており、9月5日時点で1700万ダウンロードに達し、経済的な波及効果はさまざまな業界に及んでいるそうです。luckin coffee(コーヒー業界)以外にも、食品(稲村香)、家電(海信-ハイセンス)などとのコラボが話題となっています。
コラボ商品「黒神話 騰雲・美式」、味の評判は?
ところで、luckin coffeeが開発、発売したコーヒー「黒神話 騰雲・美式(アメリカーノ)」、肝心の味の評判はどうなのか、いくつか口コミ情報を覗いてみました。(画像下に口コミコメントを記載しました。)
昨年の「酱香拿铁」(白酒入りラテ)の時もそうでしたが、賛否両論あるようです。
しかし、口コミを検索してみて感じたこととしては、大衆点評網で「瑞幸 悟空」と検索してみると、非常に多くの消費者がコーヒー、コラボグッズのコーヒースリーブ、紙袋、3Dポスター(光栅卡)の写真と共に、味の評価について口コミをアップロードしていることがわかりました。
多くは若い消費者の口コミであることがうかがえ、やはりluckin coffeeは若い世代へのアプローチが巧みであると感じました。
luckin coffeeの郭CEOは、店舗運営についても、若い世代の登用を積極的に進めているそうです。中国のコーヒー市場を持続的に発展させていく上で、市場・消費者に対するアプローチだけでなく、店舗運営側の人材を育て、中国市場にコーヒーの文化を長期的に浸透させていく視点を持っていると言えそうです。
今後も、luckin coffeeを始めとした中国コーヒー市場には注目していきます。
<参考資料:网易「瑞幸董事长郭谨一谈瑞幸发展史 注重长期主义产品创新」、大众点评网>
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