シェア上位3社が引っ張るシェア自転車市場はまだ成長中。
中国各都市で見られるシェア自転車(共享单车)ですが、様々な課題を抱えつつも、市場は成長中です。
市場を引っ張る上位3社として、「美団」、「哈啰」、「青桔」があり、それぞれ車体の色が黄色、水色、エメラルドグリーンとなっていて、街で探すときもすぐに見分けられます。
市場シェアは、美団が約40%、哈罗が約30%、青桔が約20%で、この3社で市場全体の9割を占めています。
市場規模は2022年で370億元、2023年が420億元で、近年の成長率は15%前後を保っており、好調と言えそうです。
ユーザー数は2022年時点で3.2億人で、カバーエリア(都市数)では、3位の青桔がリードしており、500都市をカバーしているようです。
(数字はいずれも、中国のシンクタンクShangPuグループの分析レポートを参照。)
自転車ユーザー目線からも、歩行者目線からも明らかな課題。
筆者自身、週に何度かシェア自転車を利用するのですが、まず、自転車ユーザーとしての課題としては、結構な頻度で故障車に当たるという問題があります。
例えば、ブレーキが効きにくい、もっと酷いとブレーキのワイヤーが切れている、車輪のワイヤーが切れて飛び出し、走り出したら車輪に絡まって走れなくなる、など。
運営側でもこのような故障の問題は織り込み済みなのか、一回の利用が終わると、アプリ画面に「問題はありませんでしたか?」と表示が出て、発生頻度の高い故障例が選択肢として示されます。
ユーザーは、それらの故障例を選択し、必要に応じて画像付きで報告ができる仕組みになっています。
また、故障がひどい場合は、利用開始前に、「この自転車は現在ご利用いただけません。」とアラートが出ます。
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他に明らかな課題として、これは歩行者視点で特に目立つものですが、自転車が需要を上回るほど大量に並んでおり、歩行の邪魔となっているケースがあります。
特に、駅前で目立つ問題です。
比較的人口が密集している地域の駅では、通勤のために駅まで利用し駐輪する人が多いのに対し、日中の利用者が少なく、退勤のため利用されるまで置かれっぱなしの自転車が多い印象です。
歩行幅が狭められ、高齢者の歩行の邪魔になっている場面を見かけることがあるので、この需要と供給のバランスは改善して欲しいところです。
シェア自転車利用にはもちろんアプリを利用しますので、ユーザーの利用情報や属性などを分析し、供給過剰などの問題の改善に繋げることは技術的に可能と思われます。
問題の解決、改善に向けては、運営企業と関連政府部門が対策立案に動いているようですので、どのような改善が見られるか、期待を持ちたいと思います。
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