[中国マーケティング見聞]luckin coffee(ラッキン)の新工場が江蘇省で稼働開始。

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luckin coffee、新工場稼働。

先日、cotti coffee(コッティ/库迪咖啡)のロボットを導入したセカンドブランド「Tea Cat(茶猫)」について記事でご紹介しました。(記事はこちらをご覧ください)。

本日は、競合相手であるluckin coffee(ラッキン/瑞幸咖啡)の新工場が稼働したというニュースに触れたいと思います。

江蘇省の昆山市に新たに建設された工場は、コーヒー製造工程の内、焙煎工程を担う焙煎工場で、総投資額は1億2千万米ドルに上ります。

luckin coffeeは、この昆山焙煎工場に先駆け、2021年に福建省に最初の焙煎工場を建設しており、その福建省の生産能力は年間1.5万トン。

昆山新工場の生産能力と合わせ、luckin coffeeの年間生産能力は4.5万トンに達したそうです。

国内各媒体で報道される、グリーンファクトリー。

新たに建設された昆山工場は、グリーンファクトリーの認定基準を高水準で満たし、工場内には各種自動化設備が設置されているようです。

中国国内の各媒体の報道には工場全容、工場内の設備の写真が掲載されています。

▼新華ネット/瑞幸咖啡(江苏)烘焙基地投产 垂直产业链创新整合再升级(luckin coffee焙煎工場稼働、サプライチェーンの垂直統合・更なるアップグレードへ。)

▼中国経済ネット/瑞幸咖啡(江苏)烘焙基地投产 可持续实践打造行业绿色发展新标杆(luckin coffee江蘇焙煎基地稼働、持続可能発展・業界グリーン新基準を目指し。)」

▼テンセントネット(远川研究所)/中国咖啡新故事,藏在瑞幸的超级工厂里(luckin coffeeのスーパー工場から生まれる、中国コーヒーの新たな物語。)

焙煎設備のほか、包装工程で稼働するロボットアームの様子が紹介されています。

「海綿城市(スポンジシティ)」構想。

また、この新工場は習近平が提唱し、国内の主要都市が建設を進める「海綿城市(スポンジシティ)」構想の実現を目指したようです。

「海綿城市(スポンジシティ)」とは、洪水などによる水害に対し、都市全体で透水性舗装、地下貯水槽などの増強により雨水を吸収できるよう都市をスポンジ化し、被害の最小化を狙う概念。

luckin coffee昆山新工場では、雨水リサイクルシステム、低エネルギー空調制御システムなどの省エネソリューションを採用し、また、熱エネルギーの再利用、無汚染排気など、CO2排出削減に配慮した設計であることが報道されています。

cotti coffeeの販売面での活発化について前回取り上げた一方では、luckin coffeeのサプライチェーンにおける上流での動きが垣間見られました。

luckin coffeeは2023年の年間売上が249億元(現在のレートで換算すると、約5400億円)に達し、スターバックス中国を上回りました。好調な業績が大規模投資を支えていると見られます。

今後も、中国コーヒー市場で興味深い動きがありましたらご紹介できればと思います。

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