コンセプト書店「言几又」の閉店ラッシュ。
中国全土にチェーン展開していた「言几又(yan ji you/イエンジーヨウ)」書店の閉店ラッシュが止まらないようです。
いくつかのネット記事からは、
・全国で最大時60店舗以上あったが次々と閉店。
・上海で最後に残っていた「虹橋天地」店が2023年1月に閉店。
などの状況が報道されています。
美しい装飾や陳列をコンセプトにした「言几又」はかつては話題の的となり来店者が後を絶たなかったそうです。
しかし、来店者の多くは、店内の写真を数枚撮影すると、本も買わず、併設のカフェ利用やグッズ購買もせず、そのまま退店してしまうという、いわゆる「インスタ映え(中国語で「网红打卡」)」狙いだったため売上が伸びなかったようです。
積極的な投資による性急なチェーン展開も経営を苦しめたようです。
「インスタ映え」ニーズには応えたものの、消費行動に繋げることができず、需要を見誤ったものと思います。
商業施設・公共施設でのマッサージチェア過剰設置。
新民晩報の記事によると、空港、駅、映画館、病院、ホテルに有料のマッサージチェアが過剰設置され、大きなスペースを占めてしまっていることが問題視されているそうです。
記事では山東省の新幹線・泰安駅の例を引き、普通の椅子558脚に対し、マッサージチェアが930脚と倍近くの過剰設置に利用客がクレームの声を上げている、と紹介がありました。
記事では、何よりもまず椅子に求められる「座る」というニーズを満たすことが先決であり、マッサージチェアの過剰設置により普通の椅子を置くスペースが小さくなり、多くの利用客の「座る」という基本的なニーズを犠牲にするべきではない、と締めていました。
不可解な需給バランスが散見される中国市場。
以上2例を見ましたように、中国市場では度々このような不可解な需給バランスを見かけることがあります。
今後も、中国市場に接しながら気にかかったニュースを不定期にご紹介できればと思います。
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