企業データベースからの「年度報告書」入手とその活用。
先日の記事で、中国の上場会社の「年度報告書」の無償ダウンロードについてご紹介しましたが、今日はその活用について一例を挙げて見たいと思います。
年度報告書が含む内容。
年度報告書に含まれる内容は、企業により異なります。
例えば、電気自動車大手のBYD(比亜迪)のレポートの目次は以下のようになっています。
- Financial Highlights
- Corporate Information
- Chairman’s Statement
- Management Discussion and Analysis
- Directors, Supervisors and Senior Management
- Corporate Governance Report
- Report of the Directors
- Report of the Supervisory Committee
- Audit Report
- Consolidated Balance Sheet
- Consolidated Income Statement
- Consolidated Statement of Changes in Owners’ Equity
- Consolidated Cash Flow Statement
- Company Balance Sheet
- Company Income Statement
- Company Statement of Changes in Owners’ Equity
- Company Cash Flow Statement
- Notes to Financial Statements
- Five Year Financial Summary
同社の場合、英語・中国語が併記されていることもありレポートのページ数は360ページにもわたる膨大なものです。
中身自体も詳細で同社の動向が気になる企業にとっては参考価値の高いレポートと言えます。
サマリー化と仮説作り。
いかに参考価値が高いとはいえ、毎年このレポートを最初から最後まで読み通すのは大変な作業であるため、弊社のお客様はサマリー化の作業を社内で担当者を決め行うか、または外注で行うなどして、効率的に社内共有されていました。
そして、関係者各自がサマリーレポートから仮説を立て、自社としてのアクションに繋げておられました。
例えば、これはBYDの例ではございませんが、四半期毎の売上や生産量のデータを自社のものと照らし合わせ意外な数字の変化がある場合、その変化について幾つかの仮説を立て、変化の理由を説明づけるための踏み込んだリサーチを行う、といった活用をされているお客様がおられました。
もちろん、年度報告書のデータだけでは概要の把握にとどまる場合も多いとは思いますが、定期的にモニタリングが必要な企業であれば、毎年サマリーレポートを作成し、最低限の状況把握を行い、社内の議論の土台・共通言語としていくことはかけるコストに比してのメリットは大きいと思われます。
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